2020年6月7日の神吉盆地は、イヤミなくらいの青空でした。気温は、30°くらい。
例年だと、田植え後の1ケ月間は、低温が続いて、苗の活着が悪かったり、分ケツが進まなかったりするんですが、今年は、もう汗ばむ気候なんですよね^^
さて、田んぼの位置が違うと、具体的に、何がどう違うのか?比較論ですが、石橋さんのお米は、松崎さんと比べると、粘りが強く濃い味を感じます。
対して泥の層が浅い松崎さんのお米はと言うと、サラッとした口どけの粘り感と、食感の印象通りのスッとした味わいなんですよ。
清酒で例えると、東北の山廃で、燗酒が映えるような、濃淳なのが石橋さんのお米で、新潟のフルーティな吟醸香を持つ冷酒が美味しいお酒のような松崎さんのお米です。
どちらのお米も、間違いなく美味しいんですが、そもそもの味わいの方向性が、もはや違うと。
大文字屋では、2種類の異なった方向性のお米を半々で混ぜ合わせて、食べ飽きない食味のお米として販売しております。
シンプルに、おにぎりにして、塩だけをかけて、冷ごはん状態で食べても、しっかりした噛み応えと、甘さを感じていただけますし、日々の夕ご飯として、おかずと一緒に食べても、料理を食ってしまうことなく、おかず⇒ごはん⇒おかず、とイイカンジのラリーが続くようになっています。
一般論ですが、キヌヒカリは、こしひかりと比べると、茎が太く、倒伏しにくい、どちらかと言えば、育てやすい品種で、価格的にもこしひかりより少し安値で流通している品種なんです。
食味的には、こしひかりより粘りが軽く、味わいも、さっぱりしています。
大文字屋としてメインで販売するのは、こしひかり100%なんですが、お付き合いさせていただいているお寿司屋さん向けの寿司飯用として仕入れています。
寿司のシャリで、石橋さんと松崎さんのお米を半々でブレンドしたのを使うと、粘りが強すぎますし、お米自体に味がありすぎて、ネタの味わいを邪魔してしまいます。
キヌヒカリを50%ブレンドすることで、粘りと味わいの主張を、寿司飯として使えるようにバランスをとっているんです。
さて、こちらの田んぼですが、さきほどのキヌヒカリが育てられてるたんぼの隣に位置します。品種は、こしひかりとの事です。
何が違うのかですが、苗のひとまとまりを構成する米粒の数が10粒くらいの「太植え」をされている点ですね。
なぜ太植えをしていると、残留肥料問題が起こるのでしょう?
多くの米粒が養分を必要とするため田植え前の施肥の量が恒常的に多くなり、穂が出ても、土壌に肥料成分が残った状態になってしまうからです。
この話、長くなりますんで、詳しくは、こちらを参照ください。
今年は、しっかり気温も上がった日が続き、幸先いいスタートとなりました。梅雨入りも、来週くらいです。
秋には、にっこりできますように。
うまく育ってくださいね~