2015年3月26日木曜日

ついに加水率100%です!

本日の一曲←たまには、ガチはジャズ^^

ついに加水率100%の大台に乗せました。
パン焼きが、すっかり趣味になってしまって、
御注文頂いたワインと同梱でパンを出荷するように
なりまして、40回目くらいでしょうか。

だいたいのスタイルめいたモノは、確立されてきた
感じです。今回のパン焼きでは、加水率をとにかく
あげてみようと、焼いてみました。


↑こちらは、精白粉130gに100mlの軟水と、
白神酵母2g、黒砂糖10gを加えてまとめたものです。
捏ねてグルテンを生成してしまうと、焼き上がりで、
噛み切るのに非常に力の要る食感になるんで、
とにかく捏ねずに、ダマになってる場所を、開いて、
押さえて、まとめて行きます。生地にダマが無くなれば、
オーブンの発酵機能で35度30分発酵させます。


精白粉を発酵させている間に、全粒粉に熱湯の軟水を
150g加えて、全粒粉に含まれる、硬い外皮をふやかせて
まとめて行きます。でんぷんに熱湯が加わると、餅の様な
風合いに変化するのを利用して、多く水を加えても、横方向に
ダレない生地にしています。

100度になったら全粒粉にかけます。
大文字屋の焼くパンの粉の配合ですが、
こんな感じです。

精白粉(10P09)130g(中種)
白神酵母2g
黒砂糖10g
中種用軟水100ml

ライ麦全粒粉40g(本体)
古代小麦全粒粉40g(本体)
グラハム粉40g(本体)
ゲランド塩4g
本体用軟水の熱湯150ml

使っている粉の合計は250gで、ここに合計250mlの
軟水を加えているので、加水率100%となります。
ちなみに加水率80%だと、
粉の合計250gの80%水分と言う事なんで、
250X0.8=200ml  となります。


↑こちらは、3種類の全粒粉に熱湯を加えてまとめたものです。
生地に水分が多く含まれると、横方向にベチャっとダレてしまいます。
これを防ぐ方法論としては、
捏ねて、グルテンを作り、生地をまとめるか、
大文字屋のやる様に、熱湯を使って「アルファ化」させるかです。
アルファ化とは、でんぷんに熱湯を加えると、お餅のような状態に
変化させる事ですが、こうする事で、生地にまとまりを持たせ、
横方向にダレにくくしています。熱湯を加えるとお餅のようには
なりますが、グルテンが出て粘っているわけではないので、
噛んだ時のキレは保持されています。
過去にテストケースで、全粒粉をアルファ化させてから
良く捏ねて、グルテンを生成した生地で焼いたことがありますが、
表皮が、全然噛み切れない難儀なパンになりました^^

このキレについては、水を軟水にしているのも
意味がありまして、軟水の逆のコントレックスなどの硬水を使うと、
生地が締って、まとまりはしますが、キレは、悪くなります。
大文字屋の目指すパンは、キレの良いバリバリ表皮と、
ふんわり食感の中身なので、グルテンは、邪魔なのです。


↑白いのが、レンジで発酵させた中種です。
その上に、熱湯でまとめた全粒粉を載せて、
ザクザク耕す要領で「混ぜ合わせて」行きます。
ここで注意点は、「生地を長く伸ばさない」事ですね。
伸ばすと、グルテンが生成されるので、画像の様に、
畳んで、ザクザク耕す感じで、均一にしていきます。


↑この程度に混ざったら、再度レンジの発酵機能で、
35度30分発酵させ、ラップをかけて暖かい場所で
8時間発酵させます。
大文字屋は、店舗のリーチインクーラーの熱交換器の
横に一晩放置しています。


↑発酵が上がりました。前回の加水率95%の時より
ふんわり柔らかい生地で、大きく膨らんでる印象です。


↑打ち粉したまな板に生地を出して、内封しているガスを
出来るだけ抜かない様に、2分割します。
片方を包む方、片方を更に4分割して、画像の様に
3層にクルミとブルーチーズを積み重ねてコアとして、
包みます。全粒粉をアルファ化して、横にダレにくく
しているとは言え、成形即焼成として、高さを保ちたいので、
大文字屋は、オーブンの予熱が完了する6分前から
成形を始めます。成形のタイミングは、
それぞれ工夫してみてください。


加水率を上げて、釡延びを多く記させ、内部の気泡を
大きくしたいので、クープは2本です。今後の展開で、
より大きく釡伸びをさせるのであれば、クープを
3本にするのも意味があるでしょう。

この焼成は、金属ボウルを被せて焼く
いわゆる「かぶせ焼き」をしています。

↑ステンンレスのボウルの真ん中にネジを刺して、
脱がせやすくしています。

↑天板の上には、熱伝導を上げる銅板を敷いています。
これが無いと、中心部まで熱が伝わらないんで、
仕上がりがもったりします。
これがないと、高加水率のパンは焼けませんね。

実際の焼成は、こんな感じです。
ボウルを被せることで、表皮のまわりに水蒸気が集中します。
ボウルを取った瞬間に、水蒸気が一気に蒸発し、
釡伸びが勢いよく始まるんです。

↑こちらは、金属ボウルを被せて250度25分焼成し、
ボウルを取ったところです。
僕のパンの焼成は、被せ焼きに使う金属ボウル込みで
250度に予熱して25分生地にボウルを被せた状態で
焼成し、ボウルを取って、170度に下げて20分、
生地の焼けムラを防ぐ意味で90度回転させ160度20分です。
加水率が80%であれば、これで焼き上がりです。
今回の様に、加水率を上げて、水分を増やしている場合は、
加水率が上がって増えた水分を抜いていかないと、
大文字屋の目指す
キレのあるバリバリの表皮と、
大きな気泡を抱いた柔らかな中身は、
実現しないんで、
120度に下げて焼け色をつけずに、
水分だけを抜いていきます。


↑こちらは、160度20分の焼成を終えた生地の重さです。


↑120度で5分焼成しました。4g減っています。
パンの焼け色は、変わっていません。


↑さらに120度で20分焼成します。9gの減少です。
気持ち水分を抜きたいんで、もう少し延長です。


↑120度で15分焼成しました。5g減少です。
ここで焼き上がりとします。


↑焼けて数時間自然冷却に任せて切ってみました。
表皮の食感も、バリバリとキレがあり、
中身も適度な柔らかさで、満足のいく仕上がりでした。


↑で、こちらが、焼いて一日経過したパンを切りまして、


↑トーストして食べてみました。
この状態で、美味しくないと大文字屋の焼くパンとしては
不合格ですよね。
なぜなら、お客様は、焼いた翌日のパンしか
食べれませんから。

トーストすると、表皮のバリバリ食感がよみがえり、
高加水でふんわりさせた中身の食感とのコントラストが
楽しいパンに焼けておりました。

今後の展開としては、もう少し加水率を上げ、
クープを1本増やして、釡伸び押しやすくさせて、
中身の気泡を大きくしてみようと思います。

現状で、これまで大文字屋が焼いたパンの
ハイスコアを更新した感がありますね^^

まだまだ、美味しくなっていく予感があります。

いや、確信かも^^


これは、これで、美味しかったですが、
100%を知ってしまうとねぇ~
通過点ですよ、ハイ^^、



パンの同梱、お気軽にお申し付け下さいませ。





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