今日も、腹持ちの良い、ワインにもゴハンにも合うお昼を作るとしましょうか。
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今日の主役は、産直ひろばで買い求めた菜の花です。袋に入った状態だと、そんなにボリューム感、無いですね。
極太のごぼうと、ニンジン、玉ねぎは、無くてはならない野菜で、毎回登場するレギュラーメンバーです。
玉ねぎは、1/2個使っています。細切りにして、ひとつひとつバラバラにして使います。
人参とゴボウは、縦に半分に切って、繊維に対して縦方向にスライスして使います。
↑400gでなんと、198円という、にわかに信じがたい価格だったウィンナーも今日でやっと無くなりました。安いウィンナーって、脂の匂いが・・・いや臭いがキツいとか、やたらとニンニクが効いてたりするイメージなんですが、こいつは、適度なスパイス感で、脂臭くも無く、塩加減もイイカンジなんで、かなり使えるアイテムでしたね。リピート決定です^^
五十嵐美幸シェフの青梗菜炒めがこの料理の基礎なんですが、とにかく野菜のすべての部位をアルデンテに仕上げて、噛みしめた瞬間の瑞々しさも表現したいので、葉物はとにかく50度洗いをします。調理前に収穫した瞬間に近い瑞々しさがないと、調理後の瑞々しさって、あり得ないと思うんですよね。
他の作業をやりつつ50度程度(瞬間湯沸かし器で熱めの温度←テケト-です)のお湯に5分ばかり浸かってもらった菜の花です。元気なハリを取り戻しました。色合いも鮮やかですね~
ここからが、ヤヤコシクて、メンドウで、理科の実験みたいな料理と言われる所以でしょう。菜の花を火の通りの早い部位とそうでない部位に分ける作業をします。
柔らかな葉っぱ、葉っぱの中のやや硬い葉脈から軸までの部分、硬い軸と3つに分けておきます。
使う野菜を火の通りの早い遅いで3つのグループに分けてボウルに入れて、グレープシードオイルでオイルコーティングします。
火の通りの遅い順に
①・菜の花の軸、玉ねぎ、ゴボウ、人参
②・菜の花のやや硬い葉脈から軸までのやや硬い部分
③・菜の花の柔らかな葉っぱ
となります。
のべ加熱時間は、①が4分30秒、②は90秒、③は45秒です。
「それぞれの加熱時間を管理」⇒理科の実験ぽい・・・
でも、野菜の美味しさの大部分を占める瑞々しさと、しゃきっとした歯ごたえは、この調理以外で実現したことがありません。(←私見です)なので、時間の管理が、実験ぽくなっても、しゃ~ないのです。
真ん中の小さなボウルには、花の部分があります。ここだけは、50度洗いをしただけの状態で食べることができます。なので、最後に彩としてトッピングします。さて、肝心の味わいなんですが、ここだけは、何もしなくても青っぽくなく、柔らかなので、本当にサラダ感覚で、生野菜として扱えるんです。噛みしめると、菜種油のニュアンスがするので、ナルホドネ~なんて思ったり^^←アリですよ^^オイシイ。
この料理は、全ての具材がアルデンテに仕上げるように加熱時間をコントロールするので、ボウルの中の野菜が同じタイミングでアルデンテになるようにしています。
このボウルの中には、菜の花の軸、ニンジン、玉ねぎ、ゴボウが入ってます。菜の花の軸って、実は、キャベツの芯より火の通りにくい部分なので、斜めに切って、火の通りを早くしています。ここの分類が、咀嚼回数を稼いでくれるんで、実は、一番大事なんです。このグループに、激安ウィンナーを5mm角程度に刻んで、フライパンで意識的に表面を少し焦がして脂の旨味を出した状態のをフライパンに残る炒め汁まで残さず一緒にします。
つまり、噛まないと呑み込めないゴボウや玉ねぎが、肉の味をしているんです。これ、結構肉を食べたって満足感ありますよ~脳を騙す感覚でしょうかね^^
しっかり噛む事で、満腹中枢も刺激され、早い段階で、食べたなぁ~って満足感も得られますし、薄い味付けでも、噛んでいるうちに舌が慣れて、これも満足していけるようになるんで、減塩効果も期待できるんです。
↓合わせ調味料です。「旨味出汁」と呼んでます。↓
ニンニク塩麹・大さじ1
マヨネーズ・大さじ1
コストコ有機ソルトレススパイス・小さじ1/4
ベーコンビッツ・小さじ2
フライドオニオン・小さじ2
乾燥タマネギ・大さじ1
粉チーズ・大さじ1
タバスコハラペーニョソース・ひとふり
カレーパウダー・8ふり
黒酢・小さじ2~3
水・150mll
↑元々の五十嵐シェフの青梗菜炒めは、ベーコンと中華出汁に水が旨味出汁(←とは呼んでませんが^^)となっています。もう52歳になっちゃった老朽化した胃袋は、化学の旨味を消化できないので、こんなヤヤコシイ調味料を使い倒す事になりました。ここらあたりも理科の実験っぽいところでしょう。
よくとかしてからふたをして強火で沸騰させます。沸騰した旨味出汁の中にオイルコーティングされた野菜が入ると、中華の技法である油通しをしたように、瞬間的に野菜の表面温度が上昇して焼き〆られ、瑞々しさが逃げないようになるんです。あとは、それぞれの部位ごとにアルデンテになるように加熱するだけですね。
旨味出汁が沸騰したら、噛み応えのある分類に、しっかり肉の旨味を載せたのを調理開始です。ボウルの中身を残さずフライパンに入れたら、ザッと上下を返し、旨味出汁とムラなく混ぜ合わせてから蓋をして、90秒、火加減は、そのままで加熱します。
90秒経過で、やや硬い葉脈から軸までの部分を入れて、同じように上下を返して、ムラなく混ぜ合わせてから蓋をして45秒加熱します。
45秒経過で、柔らかな葉っぱ部を入れます。
最初の小さな袋に入っていたことが、にわかに信じられないボリューム感ですね。26cmのフライパンからはみ出ています。これも、しっかり上下を返して、ムラなく混ぜ合わせてから蓋をして、45秒加熱します。
45秒の加熱が終われば、火を消して、取っ手付きのザルを使って手早く旨味出汁と具材を分離して詰めていきます。化学調味料を使っていれば、詰めなくても味わいの輪郭がはっきりしているので、美味しく感じられますが、このレシピだと、詰めないと、ボケたような味わいで、作ってる僕自身も嫌になる薄味なんですよね。
↑なので、分量が半分くらいまで詰めています。この炒め方の最大の難点は、意識的に焦がしてする香ばしさの演出が出来ないところです。なので、肉(今回は、ウィンナー)を小さなテフロンのフライパンで表面の焼〆をしたり、旨味出汁を詰めて焦げ感を演出したりしています。←このあたりも実験ぽいですね~
香ばしい香りが立ってきたら火を消して、具材を戻し、良く絡めてから盛り付けます。最後に菜の花を散らして完成です。
香ばしい香りが立って、半分くらいに詰まったら、急速に焦げていくので、見極めが大事だったりします。菜の花の緑も、キレイに維持されてますし、菜の花の軸も、ゴリゴリと小気味よい歯ごたえがあって美味しいです。
一緒に食べてるのは、玄米を精米せずに白米食感に炊き上げた「ふかふか玄米」を1/2合です。白米食感に炊けるんですが、当たり前のように、一定回数以上の咀嚼を求めてきます。オカズも主食も噛まない事には終わりません^^
しっかり噛むって事が、実は、ダイエットの裏技なのかもしれませんね。早い段階で満腹感も出てきますし。
合わせたワインは、抜いて4日目だったかな?南アのシラーズです。これ、絶対抜いたその日より倍は美味しく感じますね。シラーズと言えば、暴走するタンニンって感じなんですが、この南アのシラーズのそれは、見事にコントロールされて、目の詰まった繊細と言ってもいいくらいの渋ですね。熟成で使われた樽の樹脂に由来するバニラのニュアンスもリッチに香るスパイシーな味わいです。
本来スパイシーな香味は、肉を求めるものなんですが、噛み応えのあるゴボウ、ニンジン、菜の花の軸に肉の旨味をまとわせているので、問題なくシラーズを受け止めてくれてます。
また、野菜の青っぽさ(タバスコ、カレー、黒酢で大人しくしてますが)とワインが出会うと、単体で飲んだ時には感じなかった味わいの奥底に沈んだ状態の野菜っぽいニュアンスを味わいの前の方にひっぱりだして、ワインの味わいの要素と認識させてくれるので、味わいのボリュームが上がったように感じられます。
重めの赤⇒焼いた肉ってのもいいですが、青っぽい野菜と合わせるのも、面白いですよ~