2017年8月13日日曜日

2017年8月12日神吉

8月も12日が過ぎました。世間は、お盆休みに入りつつ
ありますね。
京都市内は、かなり暑くて、三菱の公認改造車はエアコン
を入れてましたが、神吉盆地は、いつものように涼風が吹
き抜けています。

こちら、神吉盆地のど真ん中に位置する、石橋さんの田んぼ
です。
いい感じに穂が、出ていますね~


寄って見ましたよ~
穂がしっかり育ってますね!!

↑こちら、8月5日の穂です。
この時は、花が咲いてましたね。毎年この時期は、同じように
神吉に来ているんですが、花の咲いた穂の画像が撮れたのは、
初めてです。
見比べてもらうと、穂が明らかに伸びて、モミの中のお米が
しっかり大きくなってるのがわかりますね^^

盆地の真ん中の道を50mほど進んで、神吉盆地が沼だったころの
岸に近いところにある松崎さんの田んぼに移動します。


この田んぼは、毎年穂が出た時期にシカやイノシシが田んぼに
入って、出てきた穂を食べてしまうんで、頑丈な鉄作が、田ん
ぼのまわりを囲んでおり、穂に寄せた撮影ができません。
穂の生育具合ですが、石橋さんの田んぼ同様順調に育ってます。

こちらは、当店の得意先さんのお寿司屋さんの寿司飯に使う
キヌヒカリのお田んぼです。コシヒカリと比べると、粘りが
弱いので、サッとほどける食感が求められる寿司飯には、無
くてはならない名脇役なのです。


こちらは、いつもの比較対象のお隣の田んぼです。
苗のひとまとまりを多くの米粒で構成する太植えで、なおかつ
狭い間隔で植えられてる密植になってます。
否同士が支え合うんで、倒伏しにくいんですが、見た目通りに
通気性が悪く、湿気がこもりやすいので、病害発生のリスクが
非常に高くなってます。
こまめな農薬散布が欠かせない状況ですね。
とは言うものの、農薬をキチンと散布してりゃ、なんとか収穫
出来るんですけどね。

今週は、小4娘がついてきました。
彼女のミッションは、夏休みの自由研究の取材です。
研究テーマは、稲作なんですと。
松崎さんにお付き合いいただいたんですが、質問の内容が
「お米を作るときに何を一番大事にしてますか?」と言う、
なんともざっくりとしたハナシだったんですが、
松崎さんの回答は、即答に近いかんじで「苗半作です」と。
「なえはんさく」と発音するんですが、
要するに、いい苗を作れれば、稲作の半分が終わった、と言
う意味なんですと。いかにいい苗を育てて田植えするか。
これが、まずは大事なんですね。
いい苗ができて、次は田植えなんですが、次の段階もこだわり
があるんです。

「代仕」「しろし」と発音します。
田植え前の田んぼの苗代(なえしろ)を仕上げるんですが、
苗を植える前に、稲の穂が出るまでに必要な肥料分を綿密に
計算し、必要最小限の肥料を入れる「超減肥料農法」をして
もらっています。

「残留肥料米」←聞きなれない言葉だと思います。

稲穂が出た段階で、農地に肥料分が残っていると、肥料がその
まま実である米粒にたまってしまうんです。
つまり、お米に窒素系の肥料が蓄積した状態になるんです。
これを残留肥料米と呼んでます。
お米を食べて「苦いな?」って感じたこと、ないですか?
その苦味こそが、肥料の味なんです。

残留肥料米を作らないためにやらなければならない事は、
穂が出た段階で、田んぼには肥料分が一切残ってないように
代仕(しろし)の段階で施肥する量を厳密に計算し、慎重に
施肥をしなければならないんです。

田植えが終わり、苗がしっかり活着(かっちゃく)したら、
田んぼに生えてくる雑草や水草を櫛の歯のような農機具を
引っ張って田んぼの中を歩いて引き抜かねばなりません。
肥料の量をギリギリまで控えてるんで、稲以外の草が肥料を
消費してしまうと、穂を支えきれない状態になってしまいます。
なんともお手間要りな農法なんです。

いい苗ができて、少ない肥料で育てていくんですが、穂が出て、
しっかりお米に光合成で作られた養分がたまっていくと、
重くなった穂を支えられるようにしっかりした茎を作らねばなりません。
丈夫な茎を作るためには、根っこをしっかり張らせなければなりません。
根っこをしっかり伸ばすためには何が重要かといいますと、酸素なんです。

「土用干し」(どようぼし)と言う農作業があります。
土用、つまり、7月の終わりころに、田んぼから水を抜いて「干す」んです。
水が抜かれて、田んぼにひび割れができるのを待ちます。
ひび割れができたら、田んぼに水を戻します。
ひび割れたら、戻し、2日ほどおいて水を抜き、ひび割れさせて戻す。
これを3回程度繰り返すのが土用干しです。

ひび割れから土壌に酸素が供給され、根がしっかりと育っていくんです。

雑草と水草を取り除くために、田んぼの中を歩くことによって、
土壌に酸素が供給されます。
これも、健全な根っこを育てるのに一役買っています。

苗半作とおっしゃってますが、
残りの半分も、かなり手間なんですけどね。

小4娘には、要点をまとめて伝えなおして、
彼女の自由研究は、めでたく完成しましたとさ^^

生産者の方と交わすこんな会話が、
実は非常に大事なんですよね。
娘にわかるように話を聞いて伝えることで、
僕自身の知見も厚くなってきます。

こんなことの繰り返しです。
今年も、美味しいお米、頼みます。
今のところイイカンジです。


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